転職の際、求人にはいろんな病院がそれぞれのアピールポイントを記載していますよね。「人間関係が良好!」「離職率が低い!」「残業が少ない!」などなど。しかし、求人にどれだけ魅力的な文言が書かれていても、入職後「こんなの知らなかった・・・」と転職を後悔する看護師さんは後を絶ちません。それはなぜでしょうか?
入職前と後でギャップが生じるのは、書類選考や面接の前にしっかり情報収集を行っていなかったことが原因です。「ネットやパンフレットで隅々まで確認したのに!」と不満を漏らす方もいらっしゃると思います。病院の情報収集にもコツがあるのをご存知でしたか?
最も効率がよく、確実な情報収集は病院見学です。今回は看護師さんが病院見学を行う際のポイントと注意点をご紹介します。
まずは、ポイントから一挙にご紹介します。
目次
チェックポイント① ナースステーション
病院の顔とも言われているナースステーション。ナースステーションの乱れは病院そのものの乱れと言われているほど重要な場所です。
- ナースステーションの書類が乱雑に置かれている
- ナースステーションのパソコンや機器の配線が絡まっている
- ナースステーションが目隠しなどで覆われていないか
- ほこりなどは溜まっていないか
上記の4つのポイントを姑のようにチェックしてみましょう。特に書類や配線、目隠しされているかどうかをチェックしましょう。ナースステーションが乱れていると、患者さんへの管理も徹底されていないことが多いです。つまり、ナースステーションが乱れている病院で働く看護師さんたちも精神的に落ち着いていない、いつもそわそわしているなんてことも。
物が乱れた職場で働く看護師さんは心も乱れがちです。反対にナースステーションが整理されていると、患者さんへのおもてなしの心を大切にしている看護師さんが多く、入職後も穏やかな環境で働ける可能性が高いです。
チェックポイント② 働く看護師さんたち
看護師さんは「良好な人間関係」を転職先に求めることが多いです。(参考:『看護師を悩ます職場の人間関係!解決するための方法』)しかし、面接の段階で人間関係について触れにくいですよね。病院見学に行けば、働く看護師さんの表情や態度でなんとなく人間関係を把握することができます。看護師さんを観察する(いい方が÷いいかもしれませんが、これくらいの気持ちでいきましょう)際は、次の4つの点を意識しましょう。
- 看護師さんの表情
- 看護師さんの服装
- 看護師さんの記録方法
- 看護師さんの急患対応
看護師さんの表情
看護師さんの表情からどのような性格の人が多いのかをチェックできると思います。暗い、あるいはイライラした表情の看護師さんが多ければ、病院全体の人間関係も期待できません。
反対に穏やか、あるいはイキイキした表情の看護師さんが多ければ、人間関係が期待できます。
看護師さんの服装
看護師さんの服装から、病院の経営状況や労働環境を把握することができます。シワシワ・ヨレヨレの白衣を着ている看護師さんが多いということは、クリーニングする費用もなく経営があまりよくない状況にあることを表しているのです。人は、言葉ではいくらでも良いことを伝えられます。しかし、表情や服装などの何気ないところから本来の姿が見えてくることを意識しましょう。
看護師さんの記録方法
看護記録方式は病院によって異なります。看護記録方法は次の4つです。
- フォーカスチャーティング
- POS(問題指向型看護記録)
- SOAP(Subjective Deta Objective Deta Assessment Plan)
- 経時的経過記録
記録方法が異なる場合は事前に勉強しておくと、仕事がスムーズに覚えられます。入職する気持ちが強いなら、質問してみましょう。
チェックポイント③ 患者さんの人数と症状
「患者さんとじっくり向き合いたいと思い入職したら、患者さんの人数の多さにびっくりした」など、病院の規模とあなたの方向性が異なることもあります。患者さんやベッド数によっては、あなたの看護観を押し殺しながら働かなければならないことも。最初は我慢できるかもしれませんが、長くは続かないでしょう。
患者さんの人数、症状の重さ、ベッド数など、病院の規模感をご自身で体感してみましょう。
チェックポイント④ 廊下や部屋の衛生面
ナースステーションは病院の顔になるとしたら、廊下や部屋は体の一部にすぎません。しかし、細かなところにほこりが溜まっている、ごみが落ちているなんて、患者さんはもちろん、看護師さんたちも気持ちよく働けないですよね。細かなところですが、一度目につくと気になるところなので、廊下や部屋の衛生面も細かくチェックしましょう。
チェックポイント⑤ 託児所の環境とスタッフ
託児所の環境とスタッフは、あなたが利用するなら預けることができるかどうかを基準に考えましょう。スタッフの愛想が悪い、整理整頓されておらず汚い、スタッフの人数が少なく慌ただしいなど、不安を抱くようでしたらおすすめできません。
病院見学での注意点
続いては、病院見学の注意点をご紹介します。病院見学も転職活動の一環です。病院側に失礼のないよう、注意するべき点を3点ご紹介します。
チェックしながらもマナーは守りましょう
先ほどご紹介したポイントに意識が向きすぎて一般常識のマナーができていなければ、病院側にも悪い影響を及ぼしてしまい本末転倒です。まず、挨拶は基本中の基本です。すれ違った看護師さんに挨拶、あるいは会釈しましょう。やってはいけないことが、むすっとした表情ですれ違うことです。誰とすれ違ってもいいように、病院見学中は笑顔と挨拶を心がけましょう。
病院見学も選考の一環だと思いましょう
病院見学は選考ではないと言いつつも、転職活動の一環です。マナーの中には服装も含まれます。病院見学にふさわしい服装はスーツです。しかし、院内を歩くためあまりヒールの高すぎない靴の方が足音を気にしなくて済みます。スーツにはヒールよりもパンプスを合わせましょう。
看護師さんたちとコミュニケーションを取りましょう
説明をしてくれる看護師さんはもちろん、働く看護師さんと積極的にコミュニケーションを取りましょう。病院見学で好印象を得られれば、入職後もスムーズに仕事ができるからです。また質問する際は、「残業はありますか?」「お給料はどれくらいもらっていますか?」と直球で聞くよりも、「皆さん何時頃帰っていますか?」「休日はどのように過ごしていますか?」とオブラートに包んで聞いた方が看護師さんたちも答えやすいです。
まとめ
転職の際、病院見学を行うのが最も確実で効率の良い情報収集です。せっかく病院見学に行くのなら有意義な時間にしたいですよね。今回ご紹介したチェックポイントは5つとも多くの看護師さんが転職の際意識していることです。
注意点を守りながら、チェックポイントを網羅できるよう事前に準備しておきましょう。