看護師さんの転職先は病院だけに限られていません。最近では屋外で働く看護師さんの需要も増えてきているのです。今回は病院以外への転職先をご紹介します。
目次
① 美容整形外科
美容整形外科では、脱毛や豊胸、シミ・ほくろの除去、二重瞼手術など外見の美容に関する施術を行います。女性の利用者が多く、スタッフや医師も女性がほとんどです。日本は世界的に見ても美容整形施術のレベルが高く、需要もあります。
美容整形外科の仕事内容
美容整形外科で働く看護師さんは、手術介助や患者さんのカウンセリングが主な仕事です。豊胸手術や二重瞼の手術のサポートなど、病棟勤務に比べれば大規模な手術ではありませんが、看護師さんは装置の準備や麻酔状態の患者さんのカウンセリング、サポートを行います。
オペ経験のある看護師さんなら手術の段取りや患者さんとの接し方がスムーズにこなせるかもしれません。しかし、病棟のオペとは内容が全く異なり、新しく覚えることも多いため、オペ経験は必須ではありません。
美容整形外科のメリット
美容整形外科で働く看護師さんのメリットは次の3つです。
- 夜勤・残業が少ない
- 高給料が期待できる
- 社員割引が利く
ほとんどの美容整形外科は夜勤と残業が少ないです。病棟勤務に比べて急患がないため、仕事が長引く心配がないのです。また、美容整形外科は基本的に予約制で来院します。そのため、営業の終了時間に閉院することが多いことが特徴です。
では、なぜ夜勤も残業も少ない美容整形外科で高給料が期待できるのでしょうか?その理由は、美容整形外科では営業ノルマが課せられることがあるためです。看護師さんに「今月○○人お客さん連れてきてね」「この化粧品○セット販売してね」など、手術介助や患者さんのカウンセリング以外に営業ノルマが課せられます。ノルマを達成すればインセンティブ報酬を得られますが、営業が苦手な看護師さんにとってはデメリットとしても捉えられますね・・・。
しかし、美容整形外科で働くからこそ得られるメリットがあります。それは、施術を社員割引で受けられることです。美容整形外科で働く看護師さんなら多くの方が美意識の高い方だと思います。「患者さんがきれいになるのを見て、自分も受けたくなった」と考える看護師さんは多いのです。通常の料金から10~20%ほど割引されるのは、美容整形外科で働く看護師さんにしか得られないメリットですね。
美容整形外科のデメリット
美容整形外科で働くデメリットは次の3つです。
- 医療スキルが落ちる
- ノルマがある
- 患者さんからのクレームに対応する
美容整形外科では手術介助や患者さんのカウンセリングなど行いますが、病棟で働いていた時に比べて現場で医療スキルを活かすことは滅多にありません。また、再度病棟へ転職しようと思ったときに、美容整形外科勤務は臨床経験としてカウントされません。そのため、スキルアップを目指したい方は美容整形外科への転職を控えることをおすすめします。
また、先ほどもお話ししたように、美容整形外科では通常業務に営業が含まれていることがあります。交友関係が広い方やコミュニケーションスキルが極めて高い方にはおすすめですが、患者さんとじっくり関わりたい方には美容整形外科への転職はおすすめできません。
美容整形外科では美意識の高さから細やかな部分に気を払う患者さんが多いです。そのため、クレームが多く対処にストレスを感じる看護師さんもいらっしゃるでしょう。満足してもらえなかったのは病院側の責任です。医師がクレーム処理をしてくれることもありますが、最初の受け皿となるのは看護師さん。ほとんどの美容整形外科でマニュアルが用意されているため、よく目を通しておきましょう。
② ツアーナース
ツアーナースは正看護師としてではなく、ほとんどが単発の仕事として募集しています。観光立国日本で、旅行の需要がとどまることはありません。その分、ツアーナースの必要性も年々高まってきています。
ツアーナースの仕事内容
ツアーナースは、社員旅行・修学旅行などの団体旅行に添乗し、旅行者の体調管理を行う看護師さんです。旅行中、具合が悪くなった方や怪我をした方の対応を行います。
前日に主催者側と打ち合わせをするところから業務がスタートします。旅行中は、参加者の体調を管理しながら主催者側と情報を共有し、旅行終了後は報告書を作成します。
ツアーナースのメリット
ツアーナースのメリットは、次の3つです。
- いろいろな観光名所を訪れることができる
- コミュニケーションスキルが身に付く
- 臨時収入になる
通常、看護師さんは一つの病棟で働くことが多いと思います。しかし、ツアーナースは一つのコミュニティに縛られることなく、のびのびと働くことができます。また、旅行が好きな方は国内外問わず様々な地域で仕事ができます。当然仕事なので羽目を外すことはできませんが、少し観光気分で楽しむことができるはずです。
ツアーナースは単発の仕事です。1回の仕事に就き、「3日間で4万円」と臨時収入を得られることも。今月の生活費がピンチ!な方もツアーナースで臨時収入をゲットしてみてはいかがでしょうか?
ツアーナースのデメリット
ツアーナースに転職するデメリットは次の3つです。
- 自分で判断を下さなければならない
- 緊急事態の対応に苦労する
- 安定収入は期待できない
ツアーナースのデメリットは、自分で判断を下さなければならないことです。旅行中、医師も同行することはほとんどなく、あなたに判断がゆだねられることが多いです。例えば、病院へ連れていく・いかないなど、看護師歴が浅い方は心もとない思いをするかもしれません。
また、先ほど臨時収入になるとはお伝えしましたが、本業にするのはおすすめできません。ツアーナースの仕事には繁忙期と閑散期があるため、収入が安定しないと言われています。また、早朝や深夜も対応しなければならないなど、不規則な生活が続くことも。ツアーナースはあくまで副業にするのがおすすめです。
まとめ
今回は美容整形外科とツアーナースとほんの一部ご紹介しましたが、看護師スキルを活かしながら病院以外で働ける転職先は他にもたくさんあります。今回ご紹介した病院以外の転職先に興味を持った方はこちらの記事もください。『他職種へ転職したい看護師さんにおすすめの職業』