接待地獄から一転!転職して勉強に励むMRの体験談

MR、営業、医師

10年前に看護師からMRに転職しました。

転職した当時は公正取引協議会の接待規制がかかる前だったので、週5日ほど飲みに行き、週末はゴルフに行き、おそらく月に100万円以上は使っていたのではないかと思います。

2012年から医師への過剰接待を禁止する規制がかかったので、飲み会費も一人5,000円以下と実質接待が禁止されたようなものでしたね。

看護師からMRに転職してから特にひどかった5年間と、最近のMR業界についてお話しします。

看護師さんのプロフィール
氏名 田中涼子(仮名)
年齢 30代後半
勤務先 製薬会社
転職先 製薬会社
転職前の年収 650万円
転職後の年収 530万円

目次

MRへ転職した理由は様々な病院とコミュニケーションを取れるから

営業、MR

看護師からMRに転職するとき、さほど不安はありませんでした。

MRは医薬品の営業担当者ですが、未経験でも転職できます。MR認定試験はありますが、実務経験がなくても合格できるので大丈夫です。

医療業界以外から転職する方もいるくらいです。だから、看護師としてですが臨床経験を持てたことが自信になってたんだと思います

MRは医療知識よりも飲み屋の知識の方が重宝されていた?!

居酒屋、接待

実際入社してみると、予想は裏切られました。

専門知識を持っているからとか、臨床経験があるからとか全く関係ありません。

医師に気に入られるMRは、専門知識を持っていることより、飲食店情報に詳しかったり場を盛り上げられることでした。

半期で100万円ほど接待予算を持たせられていました。

医師が「ゴルフクラブが欲しい」と言えば購入し、講演会用に渡した交通費をプライベートで使っていても目を瞑りました。

一番多かった時期は半期で300万円でしたね。同僚が使い切らなかった接待予算から拝借しました。

MRはどの病院で誰と仲良くなるかで年収が変わった

病院、医師、看護師

まずは大学病院を狙いました。

薬局長から攻めて、自分が担当する薬の診療科の部長を攻めて採用申請を出してもらいます。

大学病院、国立病院くらいの規模の大きな病院で採用されればその実績をもとに開業医やクリニックを攻めていきます。

それぞれの病院で接待する人は医師だけとは限りません。秘書や薬剤師さんを接待することもありました。

接待で以下に相手の懐に入り込むか。当時はこれだけでしたね。仲良くなれば内緒で病院で使用している医薬品一覧表も見せてくれるんですよ。

そしたらもうこっちのもんですよ。自社の戦略が段違いで立てやすくなります。

自分たちが2~3番手の病院を100個持つよりも、1番手の大きな病院を1つ持つ方がメリットが大きいです。

ジェネリックの登場によりMR大量投入の時代は終焉

医薬品

接待の規制が強化されたこともありますが、ジェネリック医薬品が登場したことでMRを病院に大量投入する時代は終わりました。

不景気の日本では接待に何百万円も使うなんてばかばかしいと思われるようになりましたね。

医師も簡単な情報ならネットで入手できますし、付加価値のある情報を伝えられるMR、つまり専門性の高いMRがやっと求められるようになったのです。

派遣や理系出身者のMRが増加

勉強、MR、理系

MRの特徴も変わってきています。

MR派遣のニーズも増えており、国内ではまだ5%ほどですが、欧米ではMRの10%を派遣が担っています。

MR未経験者でもジェネリック医薬品など複雑でないものの担当ならできる方も多いそうです。

さらに、一昔前のMRは文系出身者が多かったのに対して、理系出身者のMRも増えています。

40代以上のMRは文系出身が多いですが、20代、特に新卒は高学歴な理系出身者が多いのです。大学院卒も珍しくありません。

志の高いMRは、医薬品全般を担当したいというよりは、担当したい領域があるなど、MRに専門的な知識を求める傾向が強くなっているのが分かります。

抗がん剤担当のMRは医者と同等の地位

医薬品、抗がん剤

特に抗がん剤を担当できるMRは重宝されますね。

抗がん剤は副作用が多く難しい症状も多いため、情報提供は重要な仕事です。

抗がん剤を担当するMRは文献を漁って、講演会やセミナー、勉強会に定期的に参加しないとついていけないんじゃないかと思いますよ。

最近抗がん剤を担当していますが、医師と専門的な話ができるので、医師と対等な立場で話すことができますね

一昔前だったら医師に逆らうことなんて絶対できませんでしたから。

MRにとってコミュニケーション能力は欠かすことができません。相手は医師。

学閥の繋がりなどでも複雑で、話す内容も医師によって変えなければならないような仕事ですが、講演会などを行えば「症例を共有できて嬉しかった。困ったときに相談できる環境ができて感謝している」と言われたときは嬉しかったです。

今では定時で帰宅できるMRが増えつつある

定時、退勤

一昔前のような土日はゴルフ、平日は深夜3時過ぎまで呑んで寝ずに仕事なんて時代はもう終わりました。

今では専門性もあって、人として魅力的なMRしか採用されないと思います。

接待の規制が厳しくなった今でも、接待がゼロになったわけではありませんが、忘年会や新年会で場を盛り上げることくらいでしょうか。

優秀なMRほど状況の変化を理解していますし、何より危機感が強いです。

転職を意識して、ビジネススクールに通う知り合いもいますよ。

たくさんの病院を回って実情を知れるので、やりがいの大きな仕事だと思っています。