新卒1年目の看護師は転職できるの?

看護師

看護師という職業に憧れや夢を持って就いた方も多いと思います。しかし、あなたは今、理想と現実のギャップに苦しんでいませんか?看護師への理想が高ければ高いほど、追いつくことのできない自分に悩む方もいます。そこで思い浮かぶのが「転職」ですね。
今回は1年目の看護師が転職したらどうなるのかをご紹介します。

目次

看護師1年目で転職はできるのか?

1年目の看護師の方でも転職はできます。2013年に日本看護協会が発表したデータによると、2011年度1年目に辞めた看護師は全体の7.5%いると言われています。約13人に1人の看護師が1年目で離職していることになりますね。常勤の看護師が10.9%ということを考えると新卒看護師の離職率がいかに高いかがお分かりいただけると思います。
2008年度から4年連続で減少してきているものの、7.5%という数字は無視することはできません。夜勤負担の重い病院ほど離職率が高い傾向があることから、生活リズムの乱れによるストレスが主な原因の一つと考えられます。

1年目の転職はデメリットが多い

1年目の看護師でも転職できます。しかし、デメリットが多いことを念頭に置きましょう。具体的にどのようなデメリットが生じるのかご紹介します。

転職でマイナス評価されることもある

転職でマイナス評価されることもあるのが大きなデメリットです。看護師が一人前になるまでに3年間は必要と言われています。もちろん、転職するほど耐えられない理由があったのかもしれません。しかし、面接官からしてみれば、「1年以内に転職した」という事実のみ受け渡されます。どれだけつらい思いをしたかが相手には伝えにくいと思いますし、伝わらないこともあります。
結婚・妊娠・出産や親の介護などやむを得ない事情であれば仕方ありませんが、人間関係や待遇面が理由の場合マイナス評価されかねないことを覚えておきましょう。
(参考:『転職回数の多い看護師でも成功する!転職理由の考え方』)

お礼奉公のトラブルが起きやすい

奨学金の肩代わりをしてくれている場合、お礼奉公として約3年間は働き続ける必要があります。しかし、その期間中に退職した場合は奨学金返済の義務が発生します。働いていた期間を考慮して一部の返済を免除してくれる病院もありますが、全額を一括返済で求められる、あるいは違約金として元の金額以上の額を請求してくる病院もあります。
お礼奉公に関する契約内容をすり替えるなどのトラブルにも巻き込まれやすいため、1年目の転職にはリスクが付き物です。
(参考:『看護師さん注目!お礼奉公中に転職するポイント』)

病院以外の転職先を見つけにくい

病院勤務していた看護師の転職先としてクリニックやデイサービスのが挙げられます。これらの施設は夜勤や残業がほとんどないため、ゆったり働きたい看護師には最適な働き先です。
しかし、クリニックやデイサービスは小規模経営です。人数も最低限に抑えている分、教育体制が整っていない施設が多いのです。そのため常に即戦力が求められます。1年目の看護師は経験が浅く、転職先でもしっかり教育・指導を受けて徐々に慣れていく必要があります。そのため、小規模でゆったり働くことができるクリニックやデイサービスに比べて、教育体制の整っている病院の方が採用されやすいのです。

現在の職場で仕事を続けるために、悩みの解決策を考える

解決

今ご紹介したデメリットを踏まえて、本当に転職するかどうかをもう一度考えましょう。「まだ頑張れるかも」と少しでも考えた方は、現在の職場で仕事を続けるための方法を考え直してみることが大切です。
ここでは、悩み別に解決策をご紹介します。

労働環境や待遇に悩む方

労働環境や待遇に悩む方は、まず先輩プリセプターや主任など身近な上司に相談しましょう。「勤務形態の変更」「部署異動」など、相談すれば解決策は生まれます。
一昔前は、夜勤シフトに入ることができなければ正社員として働くことはできません。しかし、現在は看護師の深刻な人手不足により日勤のみの正社員も認める病院が増えてきました。それだけ病院にとって看護師一人を失うことは重大な問題なのです。
「1年目だから…」と遠慮せずに、思い切って相談することが解決の一歩です。

人間関係に悩む方

新人看護師にとって最も身近な悩みの種は先輩プリセプターと言われています。中には指導といじめをはき違えている意地悪なプリセプターも。運悪くこのようなプリセプターにあたってしまった場合は、主任に相談してみましょう。悪いのはあなただけではありません。プリセプターを変更するだけでも精神的に楽になり、仕事も上手くいくようになった看護師の方もいます。
自分の行動を改めるのに限界を感じたら、まずはプリセプターの変更ができないか主任に相談することです。

給料に悩む方

給料に悩む方は資格取得を試みましょう。
看護師資格として人気なのが認定看護師専門看護師です。
認定看護師は特定分野で熟練した看護技術と知識を持っている資格です。分野は救急看護、皮膚・排泄ケア、集中ケアなど全部で21分野あります。
専門看護師は医療分野というよりも、患者さんや患者さんの家族・地域に対しての質の高いケアや看護を行う資格です。がん患者、精神患者、老人患者など、全部で10分野あります。
このような資格を取得した看護師は同じ職場でも給料がアップすることが多いです。

看護師が一人前になるためには3年必要

看護師

1年目の看護師でももちろん転職できます。しかし、その分のデメリットが生じることを覚悟しましょう。それを踏まえて現在の職場でもう少し頑張りたいという方は、悩みの解決策を考えることが大切です。あなたは一人ではありませんよ。
できることは全部やった、それでも耐えられないこともありますよね。そのような方は無理して体調を崩す前に転職を考えましょう。

1年目の看護師が転職するなら転職サイトを利用しましょう

初めての転職。どのような病院があるのかも分からない方が多いと思います。そのような方は、転職サイトの利用をおすすめします
転職サイトを利用すると転職コンサルタントの支援サービスを受けることができます。支援の例として、自分では見つけることのできない非公開求人の紹介、面接・履歴書の書き方のアドバイス、面接日程の調整、面接の同行・同席など。「そこまでやってくれるの?」といったサービスもあります。
職場に味方がいなくてもコンサルタントはあなたの味方です。勇気を持って行動に移すことが、よりよい人生を築く秘訣かもしれませんね。